マクロビオティックについて


■ マクロビオティックとは

ギリシャ語で「マクロ」とは「大きい」、「ビオ(バイオ)」とは「生命」、
「ティック」とは「術・学」を表しています。マクロビオティックという
言葉の歴史は古く、「西洋医学の父」ことヒポクラテスが「偉大なる生命」
「長寿」などという意味であるマクロビオス(makrobios)という
言葉を使ったのが最初であると云われています。
後に、ヘロドトス、アリストテレス、ガノレスなど様々な哲学者や医者により、
この言葉が用いられています。いずれも「自然に則した簡素な食事による健康で
長生きする法」として捉えられていたようです。

このマクロビオティックを現代に甦らせ、欧米を中心に世界各国に広めたのが、
桜沢如一(1893〜1966)という日本人です。

桜沢先生は「自然に則した簡素な食事=正食」により、数多くの病人を死の淵から
救うことで、伝統的な簡素な食の大切さ、また東洋の思想や医学の優越性を示されました。
さらにマクロビオティックを世界平和運動と位置づけ、そのライフスタイルの普及のため、
世界三十カ国以上で、七千回以上の講演を行い、著書も三百冊を超えています。

桜沢先生の唱えられたマクロビオティックの基幹には、「幕末の名医」と云われる
石塚左玄を祖とする「食養」と、中国古代神話の三皇の一人・伏義(ふぎ・ふっき)
の記した「易経」の易の原理があります。この食養と易の原理を基幹とした
マクロビオティックによる食事には以下の原則があります。

一.穀物菜食(主食をなるべく玄米とし、副食は野菜を中心に主食より少なくいただく)
二.一物全体(穀物や野菜はなるべく無駄なく丸ごとをいただく)
三.身土不二(なるべく土地のもの、旬のものをいただく)
四.よく噛む
五.陰陽調和

以上を守っていれば、自然のリズムと身体のリズムが調和し、健康が維持できる
ということですが、基本的には日本人が伝統的に培ってきた当たり前の食事法です。

戦後の急激な高度経済成長に伴う飽食、また農薬や食品添加物の蔓延により、
生活習慣病やアレルギーなどが急激に増加してきました。
食は私たちの命の土台です。食が血となり肉となり、私たちの精神を養うのです。
今こそ食の大切さを見直そうというのが、マクロビオティックの運動です。
桜沢先生亡き後も多くの方々が、そのご遺志を引き継ぎ、世界各国で食の大切さを
訴え続けています。

現在ではマドンナや坂本龍一といった著名なアーティストが実践していることや、
ファッション雑誌などに特集として取り上げられることもあって、若い世代にも
マクロビオティックファンが増え続けています。

マクロビオティックは「自然に則した食」を提唱しています。
ですからその本質は永遠に変わることはありませんが、時代によりその表現が変わるのは
当然のことです。とくに、これから子どもを生み育てる世代の方々に受け入れられるのは、
喜ばしい限りです。少しでも多くの方に、日本が世界に誇る偉大な日本人・桜沢如一と、
東洋の知恵の集約とも言えるマクロビティックの存在を知っていただき、またできる
ところから実践していただくことを切に願います。



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■ 東洋医学とは

一般に東洋医学は、症状に対する方法論(漢方薬、針灸、あんま、マッサージ)として
知られています。しかし、本来は東洋医学の基となる考え・哲学(生命観、自然観、宇宙観)
が重要です。治療の分野においてもこの考え・哲学が根本にあり、それによって人体を
観察し症状を分析して、治療にあたっているのです。


東洋医学においての病とは

東洋医学において健康とは調和のとれた状態をさし、病とはこの調和が乱れた状態を
いいます。人間は本来健康であり、健康な状態を維持する力をだれでも持っています。
これを自然治癒力といいます。そして人体を構成する要素である『気・血・水』という
三つのバランスが、治癒力を安定せしめて、力を発揮させる要因となります。
現代医学ではこの自然治癒力を人体の恒常性とし、『神経・免疫・内分泌』として
捉えています。
本来、安定した働きがなされているならば病は生じず、病(症状)が生じるには、
この働きを乱す要因(原因)があるわけです。東洋医学では、この要因をまとめて、
外因・内因・不内外因としています。

本来の健康体(常と変)

我々は本来、自然調和がなされていることが「常」であり、自然の在りようが人体に
おいても発揮できる状態であれば健康であるわけです。症状(変)はその状態を取り
戻すための自然現象の一つであると理解できます。ですからその症状を容易に消し
去ることを第一義とするのは、『不自然』ということになります。
自然を知り、理解し、さらに活かすことが、現在の我々には必要です。身体の内の
「自然」を身体の外の自然と調和させ、生かされ、そして生きるための取り組みは、
我々が本来所有している能力を発揮させることにつながると考えます。共に学び、
そして自立できる生活を目指せることを切に願います。  

(漢方・鍼灸師 谷本篤志)



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■ 統合医学とは

統合医学とは文字通り、現代医学と東洋医学をはじめ様々な民間療法を組み合わせる
ことで、より患者さんの体にやさしく、高い効果が得られる治療を施す医学のことです。
当たり前といえば当たり前の概念ですが、世界的に見ましても、つい最近までその実行
は非常に困難でした。その大きな原因は、多くは現代医学側からの否定的な意見による
ものであり、その内容は『治癒効果を示す科学的なデータがない』というものでした。
さらに民間療法の手法自体も相当の数があり、中には利益のみを追求した怪しいものも
存在し、まさに玉石混交といった状態であることが、世間から批判される一因であるよ
うです。
しかし、私の知る範囲でも非常に治療効果の高い素晴らしい民間療法が存在しますし、
西洋医学的に見れば奇跡的な治癒をされた方も多くおられます。治療を行う立場として、
これらを用いない手はないというのが私個人の考えです。最近では医師の中にも理解を
示す方が増え、医療現場で様々な治療が受けられる病院が国内でも広がってきました。
医療現場ではこのような西洋医学以外の療法を代替医療や補完医療と呼び、肉体のみで
なく精神性やさらに霊性までも含めた医療を『ホリスティック医療』と総称しています。
日本でも『ホリスティック医学協会』が存在し、医師や歯科医、他の医療従事者と民間
療法にたずさわる方々がともに意見や治療効果を交換し合い、よりレベルの高い統合医学
の実現を目指して研鑽を積んでいます。
『21世紀は心の時代』と言われています。病気自体も心の病が増え、社会環境も
複雑化し、体を主体に組み立てられている西洋医学では対処しきれないケースが
益々増加してくるでしょう。こういう時代であるからこそ、体のみでなく精神性や
生活習慣全体を含めたケアが重要になってきます。20世紀に体の医学が確立
されたように、21世紀に真の統合医学が確立されることを願ってやみません。

(医師 三浦直樹)